【初心者向け】自宅でできるナレーションのボイスサンプルの作り方
クライアントから「ボイスサンプルを提出してください」と言われたけど、ボイスサンプルってなに?
自宅でも作れるものなの?
初めてでもできる自宅でのボイスサンプルの作り方が知りたいなぁ・・・。
そんな疑問やお悩みをお持ちではありませんか?
『声の名刺』とも言われるボイスサンプル。
ナレーターや声優には必要不可欠なアピールアイテムです。
今回は
- そもそもボイスサンプルってなに?
- ボイスサンプルって自宅でも作れるものなの?
- どうやって作るの?
という方に、普段私がやっているボイスサンプルの作り方をご紹介します。
これを読めば、宅録初心者でも自宅でボイスサンプルが作れるようになりますよ!
ボイスサンプルってなに?
ボイスサンプルとは、「自分の声はこんな感じですよ!」「こんな表現が得意ですよ!」とアピールする、ナレーションやセリフを録音した音声のこと。
『声の名刺』なんて言われ方もします。
ナレーションを依頼するクライアントさんは、
企業のサービス紹介の動画だから、落ち着いた声で信頼感があるナレーションが欲しいな
クールでカッコいいCMに合うナレーターがいいな
などイメージに合うナレーターを探しています。
そこで選定するために使うのがボイスサンプル。
ナレーターに対して
「○○なイメージのボイスサンプルを送ってください」
「この文章を読み上げたボイスサンプルを作成して送ってください」
などサンプルの提出を求めて
「よし、この人にお願いしよう!」
と1人のナレーターにお仕事を依頼します。
言葉で伝えるよりも、実際にナレーションを聞く方が選びやすいですよね
ボイスサンプルって自宅で作れるものなの?
ボイスサンプルの目的や重要性はわかったけど、それって自宅で作れるものなの?
そんな疑問を持った方、安心してください!
ボイスサンプルは自宅でも作れます!
ボイスサンプル作りに必要なものはこちら
- ナレーション原稿
- 宅録する機材
- 整音するソフト
- BGM(できたら)
- サムネイルが作れるツール(できたら)
ボイスサンプル作りは「自分をアピールするアイテム作り」にも、「ナレーションスキルの向上」にもなって一石二鳥ですよ!
ボイスサンプル作りのポイント
ボイスサンプルを作る前に、抑えておくと良いポイントはこちら
- 自分の得意・強みを入れる(苦手は入れない)
- さまざまなイメージのサンプルを作る
- 短いもの(30~40秒程度)を作る
一つずつ詳しくご紹介しますね。
①自分の得意・強みを入れる(苦手は入れない)
ボイスサンプルは仕事をもらえるかを決める重要なアイテム。
自分の魅力が詰まったものを提出することが大切になります。
クライアントから「この文章でサンプルを作ってね」と指定がなければ、自作のボイスサンプルを提出することになります。
自分で作って良いのですから
- 自分が言いやすい言葉や言い回しで
- 自分の声や喋り、イメージにあった表現方法で
とにかく自分が魅力的に聞こえるようなサンプルを作るのがベストです。
「得意や強みがわからない・・・」という方は、周りの人に「私の声のイメージってどんな感じ?」と聞いてみたり、他の人の声や喋り方と聞き比べて分析すると良いですよ!
②さまざまなイメージのサンプルを作る
案件に応募する際に、ボイスサンプルは求められます。
その都度新しく録るのももちろん良いですが、事前に準備しておいたらすぐに提出できて便利です。
そのためにも、さまざまなイメージのボイスサンプルを作っておくことをオススメします。
- 明るい声で、ハキハキとしたハリのある元気なナレーション
- 落ち着いた声で、アナウンサーのような安心感のあるナレーション
- つぶやき声で、ドキュメンタリー番組のような飾らないナチュラルなナレーション
- キャラクターとして読むナレーション
など、今世の中に出回っているナレーションを参考にしてみましょう。
たくさんのジャンルを作っている内に「私このイメージのナレーション得意かも!」と得意や強みが発見もできるかもしれません。
③短いもの(30~40秒程度)を作る
これはナレーター側、クライアント側双方にメリットがあります。
ナレーター側としては
- 録音・整音の制作時間が短時間で済む
- 複数のボイスサンプルが作りやすい
- ファイルサイズが小さくて済むのでアップロードや添付が楽
クライアント側としては
- 聞き終えるのに時間がかからない
- ファイルサイズが小さくて済むのでダウンロードが楽
クライアントは多数のナレーターのボイスサンプルを聞くため、一つ一つ最初から最後まで聞くことは難しいそうです。
以前ワークショップで現役のテレビディレクターさんのお話を伺ったところ
全部同じ文章でいいから、短いものを複数パターン収録してもらえると選びやすくて助かる
とおっしゃっていました。
内容(物語)を充実させるのではなく、声のイメージやナレーションスキル、宅録環境、整音スキルなどをチェックできるものを作るのがベスト!
自宅でできるボイスサンプルの作り方の手順
では実際にボイスサンプルを作ってみましょう!
①作りたいナレーションのテーマを決める
- 伝えたいイメージ
- それに適した題材
を考えます。
今回は
- 伝えたいイメージ:落ち着いた雰囲気のナレーション
- それに適した題材:電子マネー「ぽいぽい」の使い方解説ナレーション
という設定で作ってみます。
題材はあまり深く考えず、自分がパッとイメージしたものでOK!
テレビやWEBで流れているナレーションを参考にしてみましょう。
②ナレーション原稿を作成する
ナレーション原稿は、チャットGPTやCopilotなどのAIを利用すると素早く作成ができます。
個人的にはCopilotの方が好きなので、今回はCopilotで作成しました。
WindowsのPCなら、タスクバーにあるCopilotのアイコンをクリックすれば使えますよ!
Copilotに
落ち着いた雰囲気のナレーションのボイスサンプルを作成したいです。
30秒程度で読める、電子マネー「ぽいぽい」の利用方法を説明するナレーション原稿を作ってください。
と指示します。
するとこんな風な返答が返ってきました。
これを自分が読みやすいように変更して原稿作成は完了です。
③練習・修正する
出来上がった原稿を実際に声に出して練習してみましょう。
言いづらい言葉や言い回しは、自分が言いやすいように置き換えたり、言葉を削除・追加したい場合は修正します。
④録音する
機材を準備して録音します。
宅録の手順、オススメの機材が知りたい方は、こちらの記事で紹介しているのでよかったら覗いてみてください。
複数のボイスサンプルを録音する場合は、1つずつ個別のファイルで保存しておくと良いです。
クライアントさんから「○○のイメージのボイスサンプルを送ってください」と言われたときに送りやすくなります。
⑤整音する
録音が終わったら、ノイズの除去や間の調整を行います。
整音の手順は、こちらの記事で紹介しているので良かったらチェックしてみてください。
ボイスサンプルって声だけ?BGMは入れる?
ナレーションの雰囲気を上げるためにBGMを入れることは効果的です。
しかしメインはナレーションなので、邪魔にならない程度の音量にしましょう。
フリー素材のBGMは、DOVA-SYNDROMEさんがオススメです。
私はBGM有りとBGM無しの2パターンを作って、「BGM無しでください」と言われても対応できるようにしてます。
⑥できたらでOK:サムネイル(画像)の作成
ボイスサンプルは音声ファイル(WAVやMP3)で作成すればOKなのですが、サムネイルを作れるとなお良いです。
というのも、クラウドソーシングなどでポートフォリオとしてボイスサンプルをアップロードするときにサムネイルを設定できるものもあります。
もちろんサムネイル無しでもOKなのですが、そうすると「NO IMAGE」と出てしまうので、見栄え的にサムネイルはあった方がいいかなと思います。
サムネイルは、Canvaというグラフィックツールを使うと簡単に作成できます。
デザインは特に作りこむ必要はないので
- 自分の名前
- ボイスサンプルのイメージ
などを明記したら良いかと思います。
もちろん作りこみたい方はこだわっちゃってください!
Canvaは画像だけでなく、動画も作成が可能です。
作ったサムネイルにボイスサンプルの音声を組み合わせれば、動画として保存もできます。
動画にしたらYouTubeにもアップロードができるため、URLを教えるだけでボイスサンプルを聞いてもらうこともできます。
Canvaは無料会員でも豊富な素材やテンプレートが使えて便利!
このブログのサムネイルもすべてCanvaで作ってますよ!
以上でボイスサンプル作りは完了です。
自宅でボイスサンプルが作れない人は、スタジオやボイストレーニングスクールを利用するのもオススメ
自宅で1人で作成するのは自信がない・・・
という方は、第三者に録ってもらうという手もあります。
私が以前通っていた東京ボイストレーニングスクールでは、スクールに入会しなくてもボイスサンプルを作成できるコースもあります。
- スクールオリジナルの原稿も用意が可能
- データでもらえる
- 音声専門スタッフが編集もしてくれる
という心強さ!
他にも、私は利用したことがないのですが、ボイスサンプルの録音ができるスタジオもあるそうです。
- しっかりとした機材
- 相談できる相手がいること
- 音のプロによる編集
こちらもボイスサンプル作り初心者にとって心強いですね!
ただし宅録で仕事をしていきたいなら、慣れるためにも自宅で自分で作成することをオススメします。
自宅でボイスサンプルを作れるようになると
- 自分にとって都合の良いタイミングで作れる
- 急な案件にも素早く対応が可能
- 宅録スキルが上がる
というメリットがあります。
たまにクライアントから
納品するナレーションと同じ収録環境で録音したサンプルを送ってください
とリクエストされることもあるので、自宅で作ることを私はオススメします。
おまけ:第一線で活躍するナレーターのボイスサンプルを聞いてみよう!
最後に第一線で活躍しているテレビナレーターさんのボイスサンプルが聞ける場所をご紹介しておきます。
この方たちのボイスサンプルはスタジオ収録で、一流の機材で、音のプロが編集を行っているため、自宅で作るものとは比べ物になりません。
しかし、ナレーター界の頂点にいるプロのプレイヤーのナレーションを聞くのも参考になるかと思います。
ボイスサンプルでも聞き手を楽しませてくれる。
まさにエンターテイナーですね!
まとめ
ボイスサンプルはナレーターにとって必要不可欠なアピールアイテムです。
しかし、機材やAIを駆使すれば初心者でも自宅で作ることは可能!
自宅でボイスサンプル作りを積み重ねることで、アピールアイテムの作成もでき、宅録スキルもアップできて一石二鳥です。
お仕事獲得のためにも、自身のスキルアップのためにも、自宅でボイスサンプルをどんどん作ってみましょう!
私の情報が宅録で困っている方の助けになれば嬉しいです。
今回も最後までご覧くださりありがとうございました!
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