初心者さん向け|宅録ナレーターの仕事内容と始め方

宅録ナレーターって気になるけど、実際どんなことするの?

ナレーターってスタジオで録るものじゃないの?

そんなふうに思っている方へ。
私も宅録を始める前は、わからないことだらけでした。
でも、少しずつ機材を揃えて録音方法を覚えていくうちに、“自宅で声の仕事ができる”って、すごく自由で心地いい働き方だなって感じるようになったんです。
この記事では、宅録ナレーターってどんな仕事なのか、どうやって始めるのか。
実際にやってみて感じたメリット・デメリットまで、リアルな体験を交えてお話しします。
- 宅録ナレーターとはなにか?
- 宅録ナレーターの仕事内容
- 宅録ナレーターのメリットとデメリット
「宅録って、私にもできるかも・・・!」
そんなふうに思ってもらえたら嬉しいです!

そもそも「宅録ナレーター」ってなに?
宅録とは、自宅で録音・編集・納品までを行う声のお仕事のこと。
スタジオに通わず、在宅で完結できるのが大きな特徴です。
自分のペースで、体調や生活に合わせながら働けるのも魅力のひとつ。
そして、宅録でナレーション収録をメインに活動している人のことを「宅録ナレーター」と呼びます。
「在宅ナレーター」と表現されることもあります。

宅録ナレーターが活躍する場面は、実はとても身近にあります。
- 企業の紹介映像(VP)や広告
- WEBCMナレーション
- YouTube動画
- eラーニング教材
- 自動音声アナウンス など
私たちが日常で耳にする声も、宅録で収録されていることがあるんです。
「声の仕事はスタジオでやるもの」と思っていた方も、宅録というスタイルを知ることで、もっと自由に、自分らしく働けるかもしれませんよ!


宅録ナレーターはどうしたら名乗れる?
宅録ナレーターになるために特別な資格は必要ありません。
自宅で声の仕事をしたいなと決めて、機材を揃え、録音や編集をして、音声を納品できるようになったらその時点でもう”宅録ナレーター”と名乗れます!
もともと声優やテレビナレーターも、「学校や養成所を卒業しないとできない」という決まりがあるわけではありません。
私がテレビナレーターのスクールに通っていたときも、現役ナレーターさんに
自分がナレーターだと思った日から、もうあなたはナレーターなんだよ!

と言われました(笑)
仕事をすでにしていようが、していまいが、結局のところ名乗るかどうかは“気持ちの問題”ということです。
「誰かのために声を届けたい」と思って準備を始めたら、自分のことを「宅録ナレーター」と名乗っていいと思いますよ。


宅録ナレーターの仕事内容とは?
宅録ナレーターの仕事は、録音・編集・納品までをすべて自分ひとりでこなすのが基本です。
機材のセッティングから、ノイズ除去、音声ファイルの書き出しから納品まで、自分の手で行います。
スタジオ収録の場合は、録音や編集は音響のプロであるMAミキサーさん、機材のセッティングはスタジオのスタッフさんが担当し、ナレーターは“声を届けること”に集中できる分業スタイルが一般的です。
それぞれの専門家が力を合わせることで、より高いクオリティの作品が生まれます。

しかし宅録では、基本的にナレーター自身が録音機材のセッティングから編集作業までを担うことになります。
表現者であると同時に、技術者としての役割も求められるのが宅録ナレーターの仕事です。
もちろんすべてを必ず自分で行う必要はなく、外注という選択肢もありますよ!


ナレーションスキルだけでなく、収録や編集の知識・技術も必要になるため、最初は「覚えることが多いな…」と感じるかもしれません。
でも、すべてを自分の手で行えるからこそ、自由度が高く、自分らしい働き方ができるのも宅録の魅力です!
宅録ナレーターのメリット

実際に私が宅録ナレーターとして活動していて感じた主なメリットはこちら
- 自分のペースで仕事ができる
- 好きな声の仕事を自宅でできる
- 通勤ストレスがなく、心と体に優しい働き方ができる
メリット①:自分のペースで仕事ができる
宅録は自分の都合の良い時間、場所でできます。
私の場合は、昼は事務の仕事をし、夜に収録を行っています。
こういった複業スタイルでの働き方もできるのが宅録の良いところ。
事務の仕事がお休みの日は昼から収録したり、じっくり編集したりと、その日の都合に合わせて柔軟に進めています。

収録中に噛んでも「また同じところで噛んじゃった…何度も録りなおさせてしまって申し訳ない…」という罪悪感も抱かなくてよいのも精神的にかなり良いです(笑)
自分との戦いになるので、罪悪感よりも「また同じところで噛んだ!まったくもう!」と、ちょっとした怒りを感じることもあります(笑)

メリット②:好きな声の仕事を自宅でできる
私は2020年から乳がん治療を始め、約7か月療養したのち社会復帰しました。
今も治療は続けていますが、手術や抗がん剤なども終わったので病気以前と同じように働けると思っていたんですが、現実はそう上手くいきませんでした。
そのため、声の仕事はもうできないかもしれない…と、一度は諦めかけました。
でも「宅録」という手法を知ったことで、好きな声の仕事を今も続けることができています。
- 私のように、病気で今までのように働けない人
- ライフステージの変化で声の仕事を辞めざるを得なかった人
- 声の仕事に憧れはあったけど、その道へ進むことができなかった人
といったいろんな事情を抱えた人でもチャレンジしやすいのも宅録の魅力のひとつです。
メリット③:通勤ストレスがなく、心と体に優しい働き方ができる
宅録は、自宅で完結する仕事なので、電車移動や通勤のストレスがゼロ!
満員電車に揺られて疲れ果ててから収録…なんてこともありません。
宅録なら、自分のペースで、落ち着いた状態で収録に集中できるんです。
それに、トイレがすぐ近くにあるのも地味にありがたい(笑)

体調に不安があるときや、長時間の収録が続くときも、自宅ならではの安心感があります。
宅録は、“働く場所”に縛られないことで、心にも体にも優しい働き方ができます。
無理なく続けられる働き方だからこそ、長く続けたい人にもぴったりのスタイルだと感じています。
宅録ナレーターのデメリット

魅力的なメリットがある反面、デメリットももちろん存在しています。
私が感じたデメリットはこちら。
- 孤独になりやすい
- すべての業務を自分でこなす必要がある
- ナレーション以外の知識やスキルも求められる
デメリット①:孤独になりやすい
宅録は、録音から編集、納品までを基本的にすべて一人で行うスタイルです。
そのため
- 受注や編集の判断をすべて自分でしなければならない
- 誰かに気軽に相談できる環境がない
- 頑張っても、共感や励ましをしてくれる仲間がそばにいない
といった精神的な不安や心細さを感じる場面も少なくありません。
スタジオ収録なら、ディレクターや音響スタッフと一緒に作品を作り上げる“チーム感”がありますが、宅録ではすべての判断を自分で下す孤独な場面も多いのが現実です。
これは逆に「すべてを自分で決められる自由」とも言えます。
自分のペースで進めたい人には逆にメリットになるかも!

デメリット②:すべての業務を自分でこなす必要がある
宅録ナレーターは、ナレーションだけをしていればいいわけではありません。
録音・編集・納品はもちろん、営業や事務処理、トラブルが起こった場合はその対応まで、すべての業務を自分ひとりでこなす必要があります。
たとえば、
- 依頼先とのやり取り(見積もり・納期調整など)
- 音声ファイルの管理やバックアップ
- トラブル時の対応(機材不調・納品ミスなど)
- 請求書の作成や確定申告などの事務作業
といった「声の仕事」以外にもやることがたくさんあります。
スタジオ収録では、技術面はスタッフが担当し、事務所に所属していれば事務処理は事務所が行ってくれることもありますが、宅録ではそれらすべてを自分で担うことになります。
慣れれば自分の仕事を自分でコントロールできるようにもなります。
大変さの中にも、やりがいや達成感があるのが宅録の面白さでもありますよ!

デメリット③:ナレーション以外の知識やスキルも求められる
宅録ナレーターとして活動していくには、録音や編集の技術だけでなく、事業として成り立たせるための知識やスキルも必要になってきます。
たとえば
- 見積書や請求書などの書類作成・管理
- 確定申告や消費税申告などの税制に関する知識
- クライアントとのやり取りや交渉などのコミュニケーションスキル
といった、声の仕事と直接関係ない分野のことも少しずつ身につけていく必要があります。
最近では個人でも使いやすいクラウド会計ソフトが充実していて、書類の作成から管理、確定申告までをスムーズにこなすことができます。

税制の知識も、税理士YouTuberさんがわかりやすく解説してくれる動画がたくさんあるので、ひとりで抱え込まなくても大丈夫!
私のオススメは「税理士河南のYouTubeチャンネル!」
1つの動画がだいたい20分くらいで、サクサク見られるのが大変助かります!

まとめ:宅録ナレーターは“自分らしく働く”ための選択肢

宅録ナレーターは、特別な資格がなくても始められる、自分らしい働き方ができる声の仕事です。
宅録ナレーターのメリットは
- 自分のペースで仕事ができる
- 好きな声の仕事を自宅でできる
- 通勤ストレスがなく、心と体に優しい働き方ができる
自宅で録音・編集・納品までを行うスタイルだからこそ、体調や生活リズムに合わせて、無理なく続けることができます。
デメリットは、
- 孤独になりやすい
- すべての業務を自分でこなす必要がある
- ナレーション以外の知識やスキルも求められる
孤独を感じたり、すべての業務を自分でこなす大変さもあります。
でもその分、自分のペースで、好きな声の仕事を続けられる自由さとやりがいがあるのも宅録の魅力です。
私自身も、病気やライフステージの変化を経て、宅録という方法に出会い、「声の仕事をあきらめなくてよかった」と心から思っています。

もしあなたが、
- 声の仕事に興味がある
- 自宅で働ける方法を探している
- 自分のペースで続けられる仕事がしたい
そんな気持ちを少しでも持っているなら、宅録ナレーターという選択肢をぜひ知ってほしいです。
「初心者が宅録を始めるためのステップ」や「機材の選び方」や「録音のコツ」なども別の記事でご紹介していますので、宅録に興味が湧いたらぜひそちらも覗いてみてくださいね!
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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