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声優の養成所のはなし

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「声優になりたい!」

そう思ったら演技の勉強をしなくてはなりません。

声優の勉強ができるのは大きく分けて2つ

  1. 専門学校
  2. 養成所

専門学校と養成所の両方に通ったことがある私の経験をもとに、個人的に考えられるメリット、デメリットを書いていこうと思います。

今回は養成所についてです!

(専門学校のはなしはこちら↓)

声優の専門学校のはなし 声優になりたい! そう思ったら演技の勉強をしなければなりません。 でもおそらく大半の方は芝居経験がないかと思います。 ...

声優になりたいと思ったものの、これからどう進んだらいいかわからない・・・という方に少しでもお役に立てれば嬉しいです。

養成所とは

養成所の多くは事務所が直接指導して演技を教えてくれます。

大手の事務所が抱えている養成所ではスタジオ実習も多くあり、プロが使用しているスタジオで授業をすることができたり、

事務所に出入りすることから在学中からお仕事を振られたりすることもあります。

専門学校よりも現場に近いイメージです。

「それじゃあ専門学校へ行かないで養成所に行けばいいじゃん!」

そう思う方もいるかと思います。

しかし何事もメリット、デメリットはあります。

私の経験談にはなりますが、思いつく限り挙げていきますので参考にしていただければ幸いです。

養成所のメリット

まずはメリット!

はっきり言ってメリットの方が多いと思います!

事務所直結なのでデビューが近い!

養成所の多くは事務所が運営しています。(中には事務所が運営しているのではなく、勉強することを目的としている養成所もあります。)

事務所はお仕事を持っていて、常にいい声優はいないか目を光らせています。

養成所生もレッスンの日時変更や連絡事項の伝達等で事務所の方と顔を合わせることも多々あります。

そこで覚えてもらえればお仕事やオーディションの話を振ってもらえる可能性もあります。

まずは自分の存在を事務所の方に覚えてもらわなければどんなに演技がうまくても現場へ呼ばれることはありません。

事務所の方と接する。

それが現場へ行く第一歩です。

レッスンも講師は大概その事務所に所属している方です。

講師の方からの評価が事務所のマネージャーさんなどに伝わって仕事のお声がかかることもあります。

専門学校は先生にいくらいい評価をもらってもそこからお仕事を振られることはほぼないです。(たまに専門学校のホームページで「在学中からお仕事のチャンスあり!」などと謳っているところもあるのでなくはないのかもしれませんが)

それが養成所ではお仕事につながることもあるのです!

いい評価が伝わるということは悪い評価も伝わるということだよ。

講師や事務所の方の前でだけいい態度をとってもどこかでボロが出るからおすすめしないよ!

そういう人結構いるんだよねぇ(笑)

授業料が比較的安価!

専門学校は年間130万くらいかかります。

しかし養成所は高くても年間100万円はいかないと思います。

安いところだと年間30万円程度のところもあります。

これは私の推測ですが専門学校は

  • アテレコ実習(マイクや録音機材、コードやヘッドホン等)
  • ボーカルレッスン(防音スタジオ、キーボード等)
  • ラジオ実習(防音スタジオ、録音機材等)
  • ダンスレッスン(ダンススタジオ、鏡等)
  • 舞台制作(舞台、控室等)

などなど幅広くレッスンをしているので機材や設備に場所とお金がかかります。

それに比べて養成所はだいたい

  • アテレコ実習
  • 座学
  • (舞台とまではいかないが)少し体を動かして表現する

くらいです。

レッスン日数も時間も専門学校よりも少なく、レッスン内容もかなり絞られています。

そのことから養成所の方が安価になっているのだと思います。

  • やりたいことが決まっている
  • 行きたい事務所が決まっている

という方は専門学校に行かずに養成所へ行ってしまってもいいのかもしれません。

  • どんな場所で
  • どんな内容の

レッスンが受けられるのかはしっかりとリサーチしようね!

  • 演技経験××年以上

などの入所条件もあったりするからそこもチェックね!

働きながら通える!

養成所にはよりますが

  • 週に1~3日
  • 1コマ2時間

というところが多いような気がします。

中には社会人向けというコースを設けているところもあり、土日にのみレッスンをしている養成所もあるそうです。

会社や家庭での協力は必要になってくるとは思いますが、社会人でも通えるのが養成所のメリットの一つです。

平日の朝~夕方までレッスンがある専門学校は無理でも、養成所なら都合をつけて通える可能性があります。

私が養成所生の頃もガッツリ社会人の人がいたよ

海外出張とかしてた人だからバリバリの会社員さんだったね

やりたい方向のレッスンが受けられる!

さっきもちょろっと書きましたが専門学校は幅広く学ぶことができます。

中には個人的に突き詰めなくてもいいというジャンルがあると思います。

私はダンスを仕事にするつもりはないので特別学ぶつもりはありません!

したくてもできないよね(笑)

声優など芸能事は『無難になんでもこなせる』ことも大事ですが、『何かに特化している』ことはそれ以上に大事です。

『なんでもできる!』よりも『少年役ができる子!』などのように特化している方が覚えられやすいためです。

(覚えられて仕事をもらえてから何でもできるとなれば尚良し!!)

そのため苦手なものは切り捨ててしまってもいいと思います。

苦手なものに時間を割くよりも、得意なことをもっと伸ばした方がプラスになります。

苦手な分野で戦っても勝てませんからね。

少し話がずれましたが、自分のやりたいこと(得意なこと)をしている養成所へ行った方が輝けると思います。

  • アニメがやりたい・向いている人はアニメのアテレコができるところへ
  • 洋画がやりたい・向いている人は洋画のアテレコができるところへ
  • 歌もアテレコもという人は両方やっているところへ

レッスン内容はホームページに記載されてますし、レッスンで使うアテレコ題材は講師の方が出演されていた作品が多かったりします。

  • 講師は誰なのか
  • どんな作品に出演しているのか

は調べておきましょう。

きちんと調べてから入所すれば自分にとって無駄な時間を過ごさなくて済むかもしれません。

事務所の人、所属している先輩と交流できるかも!

事務所の人とは連絡事項等のやりとりで接する機会があるとは先ほども書きましたね。

他にも事務所の先輩がフラっと現れたり、交流会といったイベントでお話しする機会もあったりします。

上手くいけば現場に行っている人のお話を生で聞けるかもしれません。

プロが使用しているスタジオでレッスンできる!

これは自社スタジオを所有しているところに限りますが、最近では増えてきているので珍しくないかと思います。

  • スタジオでの立ち振る舞い(ドアの開け閉め、ミキサーさんたちに挨拶など)
  • ヘッドホンの扱い方(洋画の場合原音をヘッドホンで聞きながら当てます)
  • マイクワーク

など実際の環境で学べれば本番(お仕事)の時も余計な緊張をしなくて済みますよね。

専門学校だと講師の方(役者であってミキサーさんではない)がやってくれるので本番環境のように微調整はできないし、マイクも高性能ではありません。

スタジオのマイクは本当に音を拾います・・・

  • 椅子やソファから立ち上がる時
  • ページめくりの音
  • 衣擦れ
  • 足音

セリフと被らなければカットしてもらえますが誰かのセリフの時にノイズを出してしまったら・・・( ‘ω’)ギャァァァァァァ

演技以外で困ることってけっこう多いと思います。

本番環境に近い状態で普段からレッスンをしておけばその不安も少しは拭えますよね。

私はゲームの収録で何度もペーパーノイズ(台本をめくる音)を出して迷惑をかけたことがあります・・・

最終的には共演者に台本持ってもらったよね・・・

(ゲームは基本1人で収録しますが、この時の収録では複数人で録っていました)

実践的なレッスンが受けられる!

繰り返しになってしまいますが養成所でのレッスンはかなり本番環境に近いです。

アニメのアテレコも完成形ではなく、収録時の状態のものを使用する場合もあります。(養成所によるとは思いますが)

専門学校では放送された完成形の音を消してアテレコしますが、

私が通っていた養成所では

  • 色がついていないカット
  • 完成形のカット
  • すごくザックリ描かれたカット(棒人間みたいなみんな同じ描写)

が混在しているアニメ映像を使ってアテレコレッスンをしていました。

  • 口パクがあるカットもあればないカットもあり
  • 映像が出来上がってなくて表情や動きがわからないものもあり(台本のト書きを参照して想像する)

多分初めて見たら「なんだこれ・・・」と戸惑うかもしれません(;´∀`)

いい経験をさせてもらったなぁと今も思います。

口パク描写がないとキャラ名が出て「××が喋ってるよ」って教えてくれるから楽な時もありました(笑)

口パク見えないカットから口パクありのカットに跨るときはタイミング難しかったね・・・

在学中からオーディションや仕事を振られることもある!

現場は常に良い役者を探しています。

それが養成所生であろうとなかろうと関係ありません。

作品の中には予算が少なく、新人を使うものもあります。

私も

  • アニメのオーディション
  • なんだかよくわからない声優アイドルグループのオーディション
  • ゲームの収録

をさせてもらいました!

なかなか次につながる結果を残すことはできませんでしたが

いつどこでチャンスが落ちているかわからないなと実感できました。

チャンスが転がり込んできたらキャッチする力をつけねばと普段のレッスンもより一層やる気が出るものです。

クラスメイトの年齢層がバラバラで吸収できるものも多い!

専門学校は高校卒業したての19歳前後が大半です。

同年齢は気も合いやすく、友達も早く作りやすいかと思います。

養成所は結構年齢がバラバラです。

10代がいたり、20代もいて、30代もいます。

演技経験も同じようにばらつきがあり、すごくうまい方もいます。

すでにお仕事をしたことがある方だったり、全然畑が違う人もいたりして自分の知らない話を聞けることもあります。

そして年齢差があることで物事に対する考え方も違い、人として成長させてくれることもあります。

私は年上との接し方を学んだよ

はじめは妙に緊張していたけど年齢差があっても気軽に話すことが大事なんだと知ったね

養成所のデメリット

つづいてはデメリットです。

メリットがあればデメリットもあるのは当然です。

それじゃあ見てみましょう!

和気あいあいという感じではない・・・

養成所、事務所によるとは思いますがね・・・一応。

ただ、私がそういう風景を見たことは事実です(;´∀`)・・ァハハハ・・ハハ・・ハ・・

事務所の方は仕事をしながら養成所生の対応もします。

忙しい中で対応するためちょっと冷たく感じることもあります。

(もちろんフレンドリーなマネージャーさんもいます!)

でも個人的な事務所のイメージというと

『冷たく静かな怖いイメージ』

というのが強いです・・・。

※声優をしている友人の話ではマネージャー陣も社長もみんなめちゃくちゃフレンドリーで飲みに行ったり頻繁にしてるとのこと。事務所にもよるし、人にもよるし、捉える側の人間性にもよるとは思います!

あとこれは事務所に所属している方からポロポロ聞く話なのですが、

売れてないと人として扱ってくれない・・・

・・・せめて人としては扱ってほしいものです・・・_:(´ཀ`」∠):_

レッスン時間が短い・・・

これも養成所によるとは思いますが、だいたい1コマ2時間前後かと思います。

これが週1~3日くらい。

専門学校と比べるとずいぶんと少ないですよね。

レッスンとは言いますがこの時間はオーディションだと思った方がいいです。

今までも書いてきましたが養成所での様子は評価につながり、うまくいけばお仕事のチャンスが与えられます。

レッスン時間では是非自分をアピールする時間だと思いましょう。

そのためにはレッスン以外の時間を練習時間にし、自分を高めていく必要があります。

そう考えるとレッスンの時間自体は短いけれどやることはいっぱいなので丁度いいのかもしれません。

台本を読むだけが練習じゃないよ!

アニメや洋画、舞台などプロの演技を見ることも立派な練習だよ!

養成所によって環境が大きく違う・・・

自社スタジオを持っている事務所があれば無い事務所もあります。

小さな事務所では稽古場もなく、公共施設の多目的ホールを利用しているところもあるようです。

外部の施設をレッスンのたびに借りるとそれなりに利用料がかさみます。

利用料がかさめばきっとそれは養成所生が支払う費用に影響を及ぼします。

しかもそれらは声優のレッスンをするために構えているものではないので、モニターもなければマイクもない場合が多いです。

そうなるとアニメや洋画のアテレコもできません。

環境は良くないのにレッスン料は高い・・・。

養成所を選ぶ際は

  • どういうところで
  • どんな人が
  • どんな内容のレッスンをするのか

ということをしっかりリサーチしましょう。

体験レッスンをしていることも多いので、入所する前には一度足を運んでおくといいかと思います。

平等ではない・・・

実際に体験したことなのですが

マネージャーさん

挨拶ができないやつは声優になれないよ!

レッスンで寝るなんて言語同断!

私たちの前だけいい恰好してもすぐバレるからね!

と言っていた事務所の方いました。

まったくもってその通りだと思います。

でもその養成所で事務所への所属オーディションをした結果・・・

レッスンでよく居眠りしていた人が合格したのを目撃しました(笑)

もちろん真面目にやってりゃ合格するわけではないのは当然です。

演技のうまさなり、華なり、何らかの魅力がなければ事務所に所属することはできません。

でも・・・

「あ。やっぱり普段のレッスンの様子を見抜けないんだなぁ・・・」

とわかっちゃいましたね・・・(;´∀`)

ちなみに。

その居眠り常習犯の子はとある専門学校出身の子で、その専門学校は養成所の事務所の役者さんが複数講師を務めていました。

居眠り常習犯以外にも合格した人を見ると、ほとんどがその専門学校の出身でした。

やはりコネというか繋がりはあるようです。

個人的にはコネとか繋がりはいいと思ってます。

それ込みで専門学校や何やらに大金を払っているようなところもありますからね。

夢を追う側の人は『選ばれる』という感じが強いかと思いますが、同時に自分も『選ぶ側』であることは忘れないでください。

偉そうに言っていても大した目を持っていない人もいます。

そんな人についていっても劇的なことは起こらないと思います。

ビジネスパートナーはしっかりした人を選びたいものです。

信頼できないところはむしろこちらから願い下げだね

こちらにも選ぶ権利はあるからね!

レッスン以外では稽古場は使えないことが多い・・・

養成所は基本レッスン以外の時間は滞在不可だったりします。(養成所によってはできるかもしれないので利用したい場合は確認しましょう!)

自主練で声を出したい場合は自分で場所を探さなければなりません。

お金もかかるかと思います。

専門学校は無料で部屋の貸し出しができたりするので、自主練も気軽にできましたね。

学校ではないので学割は効かない・・・

私は埼玉在住で都内の養成所へ電車で通っていました。

そうすると結構交通費が掛かってつらかったですね・・・。

用事はなるべくレッスンのある日に集中させて少しでも交通費を浮かせていました(笑)

定期の学割のありがたみは卒業したらわかるよ(笑)

学割が効くうちにいろんなところへ行って経験を積んでおいてね!

まとめ:メリットは環境面!デメリットは感情面・・・

いかがでしたでしょうか。

養成所といっても大小たくさん存在していて、それぞれの強みは違います。

比べるのは難しいかもしれませんね。

個人的には自社スタジオを持っている養成所でレッスンができるのはかなりいい経験になると思います!

やはり疑似体験(本番環境と違う状態でレッスンすること)よりも、プロもやっている環境で日々レッスンできることは養成所ならではのメリットです!

専門学校では

「マイクは基本3本だからこれに慣れてね」

と言われていたのですが、養成所では

「うちはマイクは4本です」

と言われました(笑)

私がたまたま基本じゃないところへ行っただけかもしれませんが・・・(笑)

デメリットは感情面ですかね。

結構理不尽なことは多いです(笑)

絶対事務所の伝達ミスなのに養成所生側に非があると言われて怒られたこともあります。

レッスン日時の変更も頻繁にあってクラスに失業者が多数出たこともあります。

でも社会に出るとそんな理不尽なことはたくさんあるわけで、これは養成所に限ったことではないと最近は思っています。

丁寧に生きることは素晴らしいことですが、テキトーに受け流してストレスを抱え込みすぎないで生きることも同じくらい素晴らしいことだと思います(笑)

好きなことを仕事にしようと頑張ってるんだからなるべく楽しくいきたいですね。

それでは今回も最後までご覧くださりありがとうございました!╰(*´︶`*)╯Thank you.♥